楽天は2017年8月23日、MVNO(仮想移動体通信事業者)として独自に展開する携帯電話サービス「楽天モバイル」で新料金プラン「スーパーホーダイ」を導入すると発表した。スーパーホーダイは、高速データ通信の容量を使い切ってしまった、あるいは高速データ通信がオフの状態でも最大1Mビット/秒の速度で通信できる点が特徴。5分以内の国内通話のかけ放題や長期優待サービスも組み込んだ。9月1日にサービスを始める。

新料金プラン「スーパーホーダイ」を発表する平井康文・副社長執行役員(左)と、楽天モバイル事業の大尾嘉宏人執行役員(右)
新料金プラン「スーパーホーダイ」を発表する平井康文・副社長執行役員(左)と、楽天モバイル事業の大尾嘉宏人執行役員(右)
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 ネオマーケティングの調査によると、スマートフォンでデータ通信の速度制限を受けたことがある経験者は62%。速度制限を受けると、90%がストレスを感じるという。楽天はデータ通信量を気にして使っているユーザーが65%と多い点に着目。スーパーホーダイでは「データ通信量を気にせず思いっきり楽しめる」(楽天モバイル事業の大尾嘉宏人執行役員)ようにした。

 もっとも、通信が混雑する「12~13時」と「18~19時」の時間帯は最大300kビット/秒の速度とする。ただ、それでも携帯電話大手3社の速度制限(128kビット/秒)に比べれば速く、上記以外の時間帯は最大1Mビット/秒なのでメリットは大きい。Webや動画の閲覧も問題ないレベルとする。

1Mビット/秒の通信速度で実現できることの目安
1Mビット/秒の通信速度で実現できることの目安
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 スーパーホーダイの月額料金は、高速通信の容量が2GバイトのプランSが2980円、同6GバイトのプランMが3980円、同14GバイトのプランLが5980円。1年目の料金は、楽天会員であれば1000円、ダイヤモンド会員であればさらに500円(計1500円)を割り引く。なお、ダイヤモンド会員とは楽天カードを保有しており、過去6カ月のポイント獲得が30回以上かつ4000ポイント以上の会員のこと。会員ランクがダイヤモンド以外の月は500円の割り引きが適用されない。

スーパーホーダイの月額料金
スーパーホーダイの月額料金
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 スーパーホーダイでは5分以内の国内通話をかけ放題とした。「楽天でんわアプリ」による発信、または発信先の電話番号の先頭に「003768」のプレフィックスを付けた通話が対象になる。

 さらに最低利用期間に応じて端末の価格を割り引いたり、「楽天スーパーポイント」を付与したりする「長期優待ボーナス」を用意した。最低利用期間として2年を選んだ場合は端末価格の1万円引きまたは1万円相当のポイント付与、3年を選んだ場合は同2万円引きまたは2万円相当のポイント付与を受けられる。

最低利用期間に応じた「長期優待ボーナス」も用意した
最低利用期間に応じた「長期優待ボーナス」も用意した
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 同日開いた説明会では、楽天モバイルの販売店舗が全国で約170店舗に拡大したことも明らかにした。5月以降、申し込みはオンラインと店舗で半分ずつの比率になっている。「パートナーと協力して楽天モバイル仕様の専門ショップをさらに拡大していく。できるだけ早いタイミングで200店舗に広げたい」(平井康文・副社長執行役員)とした。