日本デジタル配信(JDS)、IBLJ、愛媛CATV、エス・アイ・ジェイ(SIJ)の4社は2017年8月23日、8月26日と27日に開催される四国4県を活動地域とするプロ野球独立リーグ「四国アイランドリーグplus」の公式戦で、スマートフォンと地域BWAを利用した次世代型コミュニティチャンネルの全国配信を実施すると発表した。

 この日は、愛媛県松山市にある坊っちゃんスタジアムにおいて、愛媛マンダリンパイレーツ対読売巨人軍(3軍)の試合が行われる。この際に、観客が撮影した生中継映像と、従来の放送局によるコミュニティチャンネルの映像を融合させ、マルチデバイス(スマートフォン、タブレット)向けマルチアングル映像の全国配信を実施する。

 JDSは、デジコンの技術協力により、生中継のマルチデバイス向け配信を簡単に行う新たな仕組みとして「スマートフォン撮影LIVE配信システム」を開発した。多数のスマートフォンが撮影する生中継映像から品質に問題がない(画像に乱れがない、配信して問題がない)映像を選択し配信することができる。今回の取り組みは、このシステムを活用する。

スマートフ ォン撮影LIVE配信システムの概要
スマートフ ォン撮影LIVE配信システムの概要
(出所:JDS)
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 この取り組みでは、球場に足を運んだファンがスマートフォンで撮影する映像と、テレビ放送用映像を同時配信する。球場の観客が撮影した映像の伝送には、地域BWAを活用する。生中継をテレビで視聴しながら、異なるアングルや関連番組をマルチデバイスで視聴するという新たなスタイルを実現する。

 JDSは、スマートフォン撮影LIVE配信システムおよびマルチアングル配信システム構築・運用を担当する。IBLJは、四国アイランドリーグplusの運営企業であり、放送権を許諾するとともに、プロモーションの役割を担う。愛媛CATVは、番組制作・提供、スマートフォン撮影、地域BWAによる映像伝送、コミュニティチャンネル放送、プロモーションを担う。SIJは、全体企画、ネット配信向け解説番組(OBTV)制作・提供、プロモーションを担う。

 JDSは、同社が準備を進めているマルチデバイス向け配信システムをベースに、今回の「スマートフォン撮影LIVE配信システム」を開発した。今後は、この開発システムとケーブルテレビ事業者のコミュニティチャンネルとの連携・普及を目指す。加えて、CS多チャンネル放送や地域イベントなど、様々な用途への展開を検討していく。

 愛媛CATVは、「地域BWAの活用方法の一つとして様々なシーンでの映像活用を想定。特にスマホなどの手軽なデバイスによる住民参加型の映像配信は各種スポーツ中継、教育分野での活用や災害時の情報伝達に有効と考えている」「地域BWAの無線インフラはセキュア面で優れている上に、安価に高速広帯域通信を利用できることから地域映像配信においても積極的に活用していく」とする。

 IBLJは、「地域コンテンツ、スポーツコンテンツを、地域から日本全国へ発信していく今回の取り組みは、非常に意義深いもの」と評価する。SIJは「今後、このマルチデバイス向け配信システムを利用して、日本全国にとどまらず、全世界で開催されているスポーツ競技の配信をを目指す」とする。

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