エリクソン・ジャパンは2017年8月21日、6月に発表したエリクソン・モビリティレポートについての記者向け説明会を開催した。「2022年に5G契約数は5億件を超え、人口の約15%になる」との予測や、5Gの展開例などについても紹介した。

 説明会では、エリクソン・ジャパンのチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)の藤岡雅宣氏が、標準化が進む5Gの動向について言及。「日中韓米が世界に先行している。特に中国が先行している」(藤岡氏)と話した。

エリクソン・ジャパンのチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)の藤岡雅宣氏
エリクソン・ジャパンのチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)の藤岡雅宣氏
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 中国では政府主導のもと、中国移動通信(チャイナ・モバイル)が全基地局を5G対応にするなど、大規模な投資を行うという。日本も2020年の東京五輪に向け、NTTドコモを中心に5Gの実証実験などが進んでいると述べた。

 各業界への展開例についても言及。自動車業界では、5Gによって自動運転車の操作や衝突回避などのサービスを実現するべく取り組みが始まっているという。スウェーデンのエリクソンと、バスやトラックなどのメーカーであるスウェーデンのScaniaとの実証実験を紹介した。実証実験では5Gを用いることを前提とした車両遠隔操作を検証。バスからの映像をもとに遠隔で制御するという。

 また藤岡氏は、スマートフォンやモバイルPC、タブレットなどによる「モバイルトラフィック」の予測についても解説。2022年のモバイルトラフィックは2016年の約8倍にあたる71エクサバイトに増加するとした。さらに、2022年のモバイルのデータトラフィックのうち、動画が約75%を占めるとした。

 「動画のトラフィックは年率で50%で増加する」(藤岡氏)という。要因として、解像度の向上やライブストリーミングに対応したアプリケーションの増加を挙げ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やWebサイトに組み込まれた動画が増加するとした。