ソニーは2017年8月17日、プログラムコードを記述せずに深層学習の学習モデル開発ができるGUIツール「Neural Network Console」を無償公開した。同社が2017年6月27日にオープンソースソフトウエア(OSS)として公開した深層学習フレームワーク「Neural Network Libraries(NNabla)」を使った開発作業を効率化できる。

 深層学習に使えるGUIツールとしては、米エヌビディアの「DIGITS」などが既に公開されている。ソニーが公開したGUIツールの既存ツールと比べた強みは、「細かなチューニングまでGUIで操作できる」点であると、ソニーの小林由幸シニアマシンラーニングリサーチャーは話す。

小林由幸シニアマシンラーニングリサーチャー
小林由幸シニアマシンラーニングリサーチャー
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 ほかにも学習モデル設計でニューラルネットの層数などを自動で変化させるといった「一部のチューニング作業を自動化できる」(小林氏)という。GUIツールが学習モデルを少しずつ変化させながら学習計算を繰り返し、計算時間を短くしたり計算精度を高めたりといった試行錯誤を自動的に実施する。

GUIツールが自動で学習計算を繰り返している様子
GUIツールが自動で学習計算を繰り返している様子
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 ソニーはGUIツールを公開することでNNablaの利用者増を期待する。有償化や関連するサービスの予定はなく、あくまで深層学習の技術力アピールや人材獲得につなげる狙いである。