GEヘルスケア・ジャパンは2017年8月10日、「Applied Intelligence 医療データ分析サービス」の販売を開始した。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のIoT(インターネット・オブ・シングズ)基盤「Predix」を活用して医療機関が保有するデータを分析し、経営上の課題を可視化して改善を支援するコンサルティングサービスを提供する。

 記者会見で多田荘一郎社長 兼 CEO(最高経営責任者)は「日本の医療の質向上に貢献していく。医療従事者の働き方改革にもつなげたい」と同サービスの意義を強調した。

GEヘルスケア・ジャパン 多田荘一郎社長 兼 CEO(最高経営責任者)
GEヘルスケア・ジャパン 多田荘一郎社長 兼 CEO(最高経営責任者)
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 同サービスは3段階からなる。まず顧客となる医療機関が抱える課題を抽出する。次に、課題を解決する情報収集や分析を実施する。その後、導入後のシステム運用や保守サービスを提供する。分析に用いる情報は医療機器に設置したセンサーや電子カルテなどから収集する。他社の機器から出力するデータも利用できる。サービスの提供形態や価格は案件ごとに異なるとした。

 サービス開始に先立ち、同社は2017年2月から大阪府堺市のベルランド総合病院と実証実験を進めている。院内で収集した情報を元にCT(コンピュータ断層撮影)検査の業務が集中する時間を可視化した。その結果、検査の予約枠を調整することで、検査を受ける患者の待ち時間を短縮できたという。

 ヘルスケア・デジタル事業本部の松葉香子本部長は「医療機器を販売するだけでなく、その使われ方も改善していく。海外の医療機関にも事業を展開する」と方針を語った。

ヘルスケア・デジタル事業本部の松葉香子本部長
ヘルスケア・デジタル事業本部の松葉香子本部長
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■変更履歴
記事公開当初、分析に用いる情報は医療従事者が持つビーコンから収集するとしていましたが、誤りでした。お詫びして訂正します。 [2017/8/21 17:00]