NTTドコモは2017年8月8日、AI(人工知能)を活用した1次産業向けIoT(インターネット・オブ・シングズ)ソリューションを発表した。9月中旬から受注を開始する。同日、同ソリューションを含む法人向けIoTビジネスの拡大に向け、日本IBMとAIを活用した新ソリューションの開発と営業活動で協業すると発表した。

 今回発表したIoTソリューションはNTTグループのAI技術「corevo」を活用してドコモが開発した「自然対話エンジン」や「画像認識エンジン」などと、日本IBMの「IoT分析プラットフォーム」を連携させたもの。センサーなどのIoT機器から取得した数値情報に加え、カメラ画像や音声などの情報をプラットフォーム上で蓄積・分析できる。精度の高い解析結果を導き出せるという。

 パッケージ型ではなく受託開発で提供する。費用は年額500万円程度からの複数メニューを検討中としている。

ビニールハウスやマグロ養殖場で実証実験

 ドコモはIoTソリューションの提供に先立ち、8月8日からアプレと双日ツナファーム鷹島の2社と実証実験を開始すると発表した。

 アプレとは水耕栽培のビニールハウスで画像データを活用。ハウス内の環境や栽培状況を監視・管理し、自律的な室内環境の調節に向けて検証する。熟練者が指示する声を自然対話エンジンを使って収集、分析して、熟練者のノウハウを水平展開できるようにもする。

水耕栽培の現場の様子
水耕栽培の現場の様子
(出所:アプレ)
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 双日ツナファーム鷹島とはマグロの養殖で実証実験を進める。いけす内の水温や溶存酸素濃度といったデータと気象情報などのデータを組み合わせて分析し、給餌タイミングや給餌量を最適化することを目指す。