NTTデータは2017年8月3日、2017年4~6月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比37.8%増の5404億円、営業利益は同27.6%増の221億円と増収増益だった。米デルのITサービス部門(Dell Services部門)の譲り受けやグループ企業の決算期統一が寄与した。

 2017年4~6月期の売上高は前年同期比で1482億円増加したが、増収に最も寄与したのが「グローバル」セグメントで同1394億円分の増収だった。Dell Services部門の業績を譲り受けたことに加え、関連企業の決算期統一により一時的に連結月数が増えたことが増収要因となった。Dell Services部門の業績2カ月分(2017年2~3月の441億円分)とスペインEverisの業績3カ月分(2017年1~3月の356億円分)を2017年4~6月期に組み込んだ。一方、EMEA(欧州、中東、アフリカ)は業績3カ月分(2017年1~3月の192億円分)を差し引いた。

 「金融」セグメントは、銀行ビジネスの規模拡大により同89億円の増収。「法人・ソリューション」はM&A(合併・買収)を伴うビジネス拡大に加え、製造業向けビジネスの拡大により同75億円の増収だった。一方、官公庁や医療、通信などの「公共・社会基盤」セグメントでは、前年度の中央省庁向け案件の反動減により同31億円の減収となった。

 2017年4~6月期ののれん償却前営業利益をセグメント別に見ると、金融セグメントが最も増益に寄与した。同セグメントでは増収に加えて、一部システムで原価率を改善したことから前年同期比で38億円の増益となった。次いでグローバルセグメントでは、Dell Services部門の譲り受けとグループ会社の決算期統一で同34億円の増益だった。

 NTTデータの植木英次副社長は今後の成長事業について、「製造業ではIoT(インターネット・オブ・シングズ)に関する関心が高い。当社は(昨年度)三菱重工業のシステム子会社を買収して、企業のIT化やグローバル展開を支援する枠組みができてきている」と自信を示した。

NTTデータの植木英次副社長
NTTデータの植木英次副社長
[画像のクリックで拡大表示]

 2018年3月期通期の連結業績予想に変更はなく、売上高が前年同期比18.9%増の2兆600億円、営業利益は同2.5%増の1200億円と増収増益を見込む。