KDDI(au)は2017年8月1日、2017年4~6月期決算を発表した。売上高は前年同期比6%増の1兆1987億円、営業利益は同2.3%増の2814億円、純利益は同3.8%増の1735億円で増収増益となった。モバイル通信と付加サービスでそれぞれ売り上げを伸ばした。

2017年4~6月期決算を発表するKDDIの田中社長
2017年4~6月期決算を発表するKDDIの田中社長
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 モバイル通信と付加サービスは、契約数が減ったものの、利用者1人当たりの月額平均収入(ARPA)増で補い増収とした。auブランドで展開する自社サービスの契約数は前年同期の2558万件から2496万件へ約62万件減少した。一方、通信ARPAは5810円から5970円へ、付加サービスのARPA(付加価値ARPA)は470円から560円へ、それぞれ引き上げた。

 通信ARPAの増加は、従来型携帯電話からスマートフォン(スマホ)への移行に加え、音声通話定額の料金プラン「カケホ」「スーパーカケホ」の契約者が増えたことが寄与。付加価値ARPAの増加は、有料の会員サービス「auスマートパス」の加入者増や通販、決済による収入増が奏功した。

 KDDIグループのUQコミュニケーションズ、ジュピターテレコム、ビッグローブが提供するMVNO回線数は前年同期の16万件から107万件へ、MVNO収入は5億円から47億円へそれぞれ増加した。「UQ mobile」の販促とビッグローブの買収が寄与した。

 同社は7月14日から新料金プランとして、利用したパケット量に応じ月額料金が段階的に変動する「auピタットプラン」と月額20GBまたは30GBのパケット定額制「auフラットプラン」を提供している。

 同社はこれらの新料金プランに対し、7月14~30日の半月ほどで45万件の申し込みがあったと公表。期間中、OSにAndroidを搭載した同社スマホ購入者の83%が新料金プランを選択したという。

 同プランの主な狙いはMVNOへの転出抑止としているが、それに加えて他社からauへの転入にも効果が出ているとする。田中孝司社長は「他社から当社への携帯電話番号ポータビリティ(MNP)による転入ペースが新料金プラン開始前の2倍近くに増え、Androidスマホの販売台数も5割増になった」と明らかにした。