インドのIT大手インフォシスは2017年8月1日、人工知能(AI)を活用したRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ソフト「Infosys Nia」と欧州SAP製ERP(統合基幹業務システム)パッケージを組み合わせた運用事例を報道関係者向け説明会で紹介した。

 説明会の席上、インフォシスの大西俊介日本代表は「Infosys Niaとならび、SAP事業も成長の柱と位置付ける」と話した。一方、同社の日本におけるSAP事業について「顧客に対する知名度が十分でない」(大西代表)との課題も示した。

大西俊介日本代表
大西俊介日本代表
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 2017年6月から提供を始めたInfosys Niaは、インフォシスが2016年に発表したAIに基づくデータ分析ソフト「Infosys Mana」とRPAソフト「AssistEdge」を組み合わせたもの。ともに世界の約70社と約150件の実績があるという。

 Infosys Niaの導入事例として、大西代表は農薬世界最大手の「シンジェンタ」を挙げた。シンジェンタはスイスを本拠地とする企業で、SAP ECCを導入している。同社はInfosys Niaが持つ「問題管理アナライザー」を活用し、SAP ECCで発生する問題の原因を特定、システムの修正に取り組んでいるという。

Infosys Nia 問題管理アナライザーの画面
Infosys Nia 問題管理アナライザーの画面
(出所:インフォシス)
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 同アナライザーはシステムのリスクやアプリケーションの相互関係を分析し、パレート図による分析表示も提供できる。Infosys Niaを活用することで、シンジェンタは発生する問題の8割が2割のアプリケーションに起因することを突き止めた。