三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2017年7月31日、ITを取り入れて、金融サービスや関連業務を高度化する取り組みである「FinTech」などの促進を目指して、新会社「Japan Digital Design(JDD)」の設立を決定したと発表した。

 新会社は、金融当局の許認可などを前提に設立する。2016年1月、MUFGがグループ内に設立した「MUFGイノベーション・ラボ」を母体にして、外部エンジニアを採用したり、地域金融機関と協働したりして、銀行業の高度化施策などの実現を目指す。

 JDDは、銀行業の高度化などについての調査研究、関連システムの開発や販売、コンサルティング、人材育成といった業務を手掛ける予定だ。MUFGが全額出資し、資本金30億円の予定で事業を始める予定だ。

 JDDはMUFG傘下の三菱東京UFJ 銀行とともに、地域金融機関との業務提携を進める。青森銀行や千葉銀行、沖縄銀行など30行と、福岡フィナンシャルグループ、山口フィナンシャルグループの2グループとの業務提携を予定している。

 これらの地域金融機関とは、「既存のレガシープロセスの刷新」といった目的を掲げたうえで、研究開発やイノベーションを起こせる人材の活用などで、協業を進める。

 具体的には、イノベーションを起こせる次世代リーダーを受け入れたり、目的達成のための実証実験をしたりすることを見込んでいる。デザイン思考やアジャイル開発といった手法を取り入れて、Fintechの実現を目指すことも視野に入れる。