NTTコムウェアは2017年7月31日、自社の働き方改革の取り組みについて記者説明会を開催した。2017年7月から9月にかけて、従来の勤務制度をより柔軟に活用する施策を講じていることを明かした。

写真●NTTコムウェアが開催した働き方改革説明会の様子。NTTコムウェアの高瀬一男総務人事部人事企画部門担当課長が説明に立った
写真●NTTコムウェアが開催した働き方改革説明会の様子。NTTコムウェアの高瀬一男総務人事部人事企画部門担当課長が説明に立った
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 NTTコムウェアが今回、説明したのは、今年度の「夏の生活スタイル変革」の取り組みだ。同社では、2015年から、ワークライフバランスの推進などを目的に、7月からの3カ月間、実施してきたものだ。

 NTTコムウェアはこれまでも社員が柔軟に働ける勤務制度を整えてきた。育児や介護の必要がある社員に向けて短時間勤務制度を設けるほか、1997年からはフレックスタイム制度、2004年からは在宅勤務制度を導入してきた。

 NTTコムウェアの高瀬一男総務人事部人事企画部門担当課長は、「当社には、子育てと仕事の両立が必要になる若手社員だけでなく、介護との両立が求められるようになるベテラン社員も少なくない。育児と介護をしながら仕事を続けられるよう勤務制度を整えてきた」と説明する。

 2015年から始まる夏の生活スタイル変革は、在宅勤務など既存制度の普及を図ったり、新しい制度を試行したりするために取り組んできた。この変革キャンペーンを通して、2016年には、育児や介護のために、「出社時間と退社時間をそれぞれ30分前倒しする」といった仕事ができるシフト勤務制度が誕生している。

 2017年の今回は、「注目が集まる働き方改革や健康経営の実現に向けて、さらに踏み込んで、より一層の柔軟な勤務形態を試行している」と、高瀬担当課長は話す。

 具体的には、それまで研究開発部門などの一部に、導入がとどまっていた、フレックスタイム制度を、全社で試行する。育児や介護の目的に限られていた、シフト勤務も理由によらず試行できるようにした。さらに育児や介護をしている社員については、「週2日または月8日」と限られていた在宅勤務の実施日数を「週4日」と緩和する。

 NTTコムウェアの高瀬担当課長は「一連の取り組みを進めるため、上司と部下のコミュニケーションを充実させる意識改革を進めるほか、ICT(情報通信技術)ツールを活用して、出退勤をはじめとする社員の勤務状況などを見える化してきた」と明かす。

 説明会では、一連の取り組みを支えるために社内で活用していて外販もしているICTソリューションの紹介もあった。「場所や時間によらず働ける、現場社員の便利さと、部下を管理する上司の便利さを両立させてきた」と、NTTコムウェアの島田智子ビジネスインキュベーション本部ビジネスインキュベーション部統括課長は説明する。

写真●働き方改革を支えるICTソリューションについて説明するNTTコムウェアの島田智子ビジネスインキュベーション本部ビジネスインキュベーション部統括課長
写真●働き方改革を支えるICTソリューションについて説明するNTTコムウェアの島田智子ビジネスインキュベーション本部ビジネスインキュベーション部統括課長
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 例えば、勤怠管理クラウドのfollow Smart Touchを使って、社員は社外からでも出勤や退勤の報告ができるようにしている。社外で取り組む仕事の計画を事前登録もできるので、上司は計画と実績の管理が容易になる。パソコンの起動時間も収集できるので、「計画時間外にパソコンを起動して仕事をしている」といった社員のサービス残業のチェックも可能だという。

 また企業内SNSやポータル機能を備える情報共有用モバイルアプリケーション「シャナイン」を使って、社員が上司に対して、報告・連絡・相談に利用したり、業務の引き継ぎをしたりしている。社外で仕事を始める社員が勤務の開始や終了を伝えたり、電話会議を始める時間を参加者に通知したりすることも進んでいるという。

 ICTツールの導入で様々な活用策が出てきた。「社内での打ち合わせ中でも、お客様への緊急対応が必要なとき、シャナインを使って素早く対応してもよいという現場も出てきた」と、NTTコムウェアの島田統括課長は話す。

 今後について、島田統括課長は「シャナインをfollow Smart Touchなどと連携させて、SNSに書き込むことで勤怠を報告したり、チャットボットがスケジューラーから情報を自動収集して、今日の予定を自動通知したりできるようにしていきたい」と見通しを語る。