イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)と宮古テレビは2017年7月28日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)技術を活用して、2017年8月1日から「お産前の母牛の遠隔見守りに関する実証実験」を実施すると発表した。カメラ映像とセンサー反応をスマホで監視し、母牛の出産タイミングをモニタリングする。

 この実験では、IoTを活用したスマートホームサービスとして提供する「インテリジェントホーム」を沖縄県宮古島市の畜産農家に展開、牛舎にIPカメラやモーションセンサーを設置する。お産を控えた母牛をIPカメラで監視したうえで、お産24時間前に活発になる動きをモーションセンサーで検知する。

図●実験のイメージ
図●実験のイメージ
(発表資料から)
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 イッツコムと宮古テレビは、畜産農家とともに3カ月をかけて、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末による通知の頻度やタイミング、映像の伝送手法、夜間の画質やIoT機器の性能などを検証する。

 この実験は、沖縄県宮古島市の畜産農家における子牛の生存率低下や、管理者の負担増などの課題解決を目的に実施する。実験に協力する沖縄県宮古島市畜産農家(宮古和牛改良組合青年部)は、自宅と牛舎が離れているケースが多く、出産時の事故防止のため泊り込みで監視したり、お産を知らせる専用機器などが利用されたりしていた。しかし、高齢化が進み人手不足による負担増や、専用機器の導入・ランニング費用が課題で、子牛の生存率に影響が出ていたという。

 インテリジェントホームは、2015年より全国のケーブルテレビ事業者を通じて一般家庭を中心に民泊や貸し会議室などに提供されている。各地の地元ケーブルテレビ局によるサポート・メンテナンスも期待できることから、「今回のような中小規模畜産農家にとって様々な課題解決に役立てるIoTサービスになると考えている」という。

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