日本オラクルは2017年7月28日、API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)をクラウド上で管理する「Oracle API Platform Cloud Service」の提供を始めた。APIの利用状況の可視化や分析、開発、テストなど、企業がAPIを使ったシステムを開発・運用するために必要な機能を一通り備える。これまで個別に提供していた機能を一つのサービスにまとめて、企業が使いやすくした。
新サービスはオラクルのクラウドサービス「Oracle Cloud」に加え、Linuxで稼働するオンプレミス環境やAmazon Web Services(AWS)をはじめとする他社クラウド環境でも利用できる。APIとデータをやり取りする窓口となるソフトウエア「APIゲートウエイ」をクラウドなどへ配置して、APIの利用状況やレスポンス時間などのデータを集める。一つのシステムに複数のAPIを使っている場合でも、利用状況データを一元管理できる。
日本オラクルの佐藤裕之クラウド・テクノロジー事業統括Cloud Platformビジネス推進本部長は、企業のAPI活用が進ほど「APIを効果的に管理する仕組みが重要になってくる」と説明。米マイクロソフトやAWSが提供するAPI管理ツールと比較して、「さまざまな環境で利用できることが強みだ」(佐藤本部長)とした。
APIの設計・開発までサポート
新サービスは米オラクルが2017年1月に買収した米ApiaryのAPI開発ツールと連携することで、運用管理を容易にする機能を組み込んだAPIを設計・開発できるようになる。具体的には、機能改善に有効な利用状況データを収集するための機能を組み込んだり、収集すべきデータの種類や頻度を設定したりできる。
APIゲートウエイでは、セキュリティやインタフェース管理、トラフィック管理といった機能を設定できるので、「開発生産性の向上や権限管理に役立つ」(同社クラウド・テクノロジー事業統括Cloud Platformビジネス推進本部ビジネス推進第1部の生駒浩大担当マネージャー)。