日立製作所は2017年7月28日、2017年4~6月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2%減の2兆886億円、営業利益は同44.1%増の1318億円と減収増益だった。日立物流や日立キャピタル、日立工機が連結から外れて減収だったが、「情報・通信システム」部門を中心に利益率が改善した。

 西山光秋専務CFO(最高財務責任者)は「構造再編の効果が出ている」と業績を評価した。営業利益1318億円は第1四半期として過去最高だ。売上高と営業利益は日立の計画を上回って「好調な滑り出し」(西山専務CFO)だとした。

西山光秋専務CFO(最高財務責任者)
西山光秋専務CFO(最高財務責任者)
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 情報・通信システム部門の売上高は前年同期比3億円減の4347億円とほぼ横ばい。ATM(現金自動預け払い機)やストレージの販売減少をシステムインテグレーション(SI)事業が補った。SI事業は国内企業の堅調な投資意欲に加えて、金融機関とマイナンバー関連の需要が売上高を支えた。

 金融機関向けSIは大型システム更改の案件が前年度までにピークは過ぎたが、海外へ事業を展開するための案件が続いている。マイナンバー関連も公共機関向けの案件が前年度までにピークを過ぎたが、民間企業で需要が続いているという。

 情報・通信システム部門の営業利益は前年同期比149億円増の271億円と大きく伸びた。SI事業でプロジェクト管理を徹底したことや、サーバーやストレージなどハードウエア事業で生産機種の絞り込みや従業員の配置転換などで採算性が改善した。同部門のうちハードウエア関連の営業利益は赤字だった前年同期から117億円増の106億円となった。

 2018年3月期通期の業績予想は売上高を9兆500億円(前年同期比1.2%減)、営業利益を6300億円(同7.3%増)と据え置いた。