経済産業省は企業が会員向けや売買のために作成したデータの不正取得や流通の防止を目的に、不正競争防止法を改正する。2017年7月27日に産業構造審議会の不正競争防止小委員会で検討を始め、次期通常国会に改正案を提出する。

 委員会の資料によると不正利用の事例としては、気象データサービス会社が提供する有料データが顧客を起点に関連会社などに転々流通されていたケースなどがあったという。

 こうしたデータは不正競争防止法の営業秘密として管理されていないため、現状は不正利用を防ぐ法的枠組みがないという。民法による差止請求も困難で、裁判でデータが著作物と認められるケースは限定的なため、一度不正な流通が行われると被害が甚大で食い止める手段がないとしている。

 委員会では規制対象とする不正行為やデータの要件について検討する()。経産省は不正競争防止法の改正案で、企業がデータ活用のために行った投資に見合った対価が得られるように、データの不正取得や取得されたデータの使用・提供する行為を禁止する規定を盛り込む方針。

●不正競争防止法での対応の方向性
●不正競争防止法での対応の方向性
(出所:経済産業省)
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