みずほ銀行が構築している新しい勘定系システムについて、2018年秋にも切り替えを始める方向で検討していることが日経コンピュータの取材で2017年7月27日までに分かった。全国の店舗のATM(現金自動預け払い機)などを複数回に分けて、現在のシステムから新システムにつなぎ替え、2019年末までに切り替え完了をめざす。2011年の東日本大震災の直後に引き起こしたシステム障害から6年、稼働時期が初めて見えてきた。

 システム開発は月内にも完成するめどがついているという。完成後に利用部門におけるテストや運用手順などの確認、操作訓練、切り替え手順の確認や切り替えリハーサルに取り掛かる。

 旧システムから新システムへの切り替えには、データ移行などの作業時間を長く確保する目的で3日以上の連休を活用することが通例。2018年9月と10月の3連休を初回の切り替え時期とする可能性が高い。テストなどの結果次第では、開始時期を11月や12月の3連休などに設定する可能性も残る。

 みずほ銀行は日経コンピュータの問い合わせに対し、「具体的なスケジュールはまだ決まっていない」(広報室)と回答した。

写真●みずほ銀行本店が入るビル
写真●みずほ銀行本店が入るビル
(撮影:加藤 康)
[画像のクリックで拡大表示]

 みずほ銀行の新勘定系システムを巡っては、2016年3月末に設定していた開発完了を2度にわたって延期してきた経緯がある。開発期間の延長に伴い、システム統合に係る投資額は当初予定の3000億円台前半から4000億円台半ばに膨らむ見通しだ。

 システム構築には、富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータの4社が参加。流動性預金は富士通、融資、外為は日立といった具合に、業務機能ごとに開発・テストを分担している。ピーク時の開発要員は、7000~8000人規模に及んだ。