オムロンと国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、サンリツオートメイション、情報通信研究機構(NICT)、NEC、富士通、村田機械は2017年7月26日、工場内IoT(インターネット・オブ・シングズ)の活用を促進する「フレキシブルファクトリパートナーアライアンス(Flexible Factory Partner Alliance、以下FFPA)」を結成した。複数の無線システムが混在する製造現場などで、安定した通信を可能にする協調制御技術の規格策定と標準化、普及促進を図る。

フレキシブルファクトリパートナーアライアンスのWebサイト
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(出所:フレキシブルファクトリパートナーアライアンス)
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 FFPAでは協調制御技術に関する規格を策定し、同規格の国際標準化を目指す。さらに工場内で無線通信の利活用を促進するために、各種の啓発活動を実施する。具体的な施策は「今後検討していく」(富士通)予定だ。FFPAの会長にはドイツ人工知能研究所(DFKI)のアンドレアス・デンゲル教授が就任する。

 製造現場ではIoTを導入して生産設備や生産状況を見える化し、生産性を向上する施策が広がりを見せている。一方で、複数の無線システムが混在するとシステム間で干渉が起こり、通信が不安定になったり設備の稼働不良が引き起こされたりする懸念があった。

 この課題を解決するため、オムロンとATR、サンリツ、NICT、NEC、富士通、村田機械は2015年6月から、複数の稼働中の工場で無線環境の評価と無線通信の実証実験を進めてきた。実際の製造現場で具体的な利用シーンを想定し、設備ごとに独立した無線システムを協調制御させる技術を提案してきた。今回のアライアンス結成ではこれらの成果も引き継ぐ。