米アドビシステムズは2017年7月25日(現地時間)、同社が開発しているインタラクティブコンテンツのフォーマット「Flash」のサポートを2020年までに終了すると発表した。発表文の中で「(Flashに代わる)HTML5、WebGL、WebAssemblyなどのオープンスタンダードが成熟し、Webブラウザーの標準機能に統合されるようになった」と理由を説明した。

 2020年末に、Flash形式のコンテンツを再生する「Flash Player」のアップデートと配布を停止する。コンテンツ制作者に対しては、HTML5などへの移行を推奨する。ゲームや教育、動画再生などの分野でFlashが幅広く使われている現状を踏まえて、2020年末までは引き続きFlashのサポートに努め、セキュリティパッチの提供などを続けるとしている。

 FlashはWebが爆発的に普及し始めた1997年ごろから20年以上にわたって、PCのWebブラウザー上で動的なコンテンツを実装する用途で使われてきた。だが2007年に米アップルが発売したiPhoneではFlashがサポートされず、スマートフォン/タブレットのコンテンツ形式としては主流にならなかった。当時のスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)が、セキュリティなどを問題視してFlashを批判する書簡を出した出来事はよく知られている。

 PC用のコンテンツ形式としては依然として有力だったが、2015年ごろからFlash Playerのセキュリティ脆弱性を悪用したサイバー攻撃被害が目立つようになっていた。