NTTコムウェアは2017年7月20日、開発環境のクラウドサービス「SmartCloud DevaaS 2.0」の提供を開始した。利用者の要求を迅速に開発・運用に反映する高速開発手法「DevOps」の取り組みを支援する。

 DevaaS 2.0は、ソフトウエアの開発環境をクラウドとして提供するサービス。同社が提供するIaaSをベースに、コンテナ仮想化基盤、プロジェクト管理ツール、継続的インテグレーション(CI:Continuous Integration)や継続的デリバリー(CD:Continuous Delivery)の各種ツールなど、コード更新に伴うテストや本番環境への展開を自動化するツール群を一体で提供する。

開発環境をクラウド提供する「SmartCloud DevaaS 2.0」サービス。
開発環境をクラウド提供する「SmartCloud DevaaS 2.0」サービス。
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 開発者はポータル画面でGitLabやJenkins、AnsibleといったCI/CDツール群を設定済みの状態で即時に導入できる。ユーザーアカウントについては、同社のほかのクラウドサービスの管理下にあるユーザーであれば自動で登録される。

DevaaS 2.0のポータル画面。
DevaaS 2.0のポータル画面。
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 価格は初期費用が12万1700円、CI/CD環境を導入した仮想サーバーが月額1万円(日額334円)から、仮想デスクトップサーバーが1台当たり月額5000円(日額167円)から。このほか15Gバイトで月額750円の追加ディスクや月額1800円のファイアウオールサービスなどを提供する(いずれも税別)。ツールの使い方など技術的な問い合わせが可能なサポートサービスが付属する。

 DevOpsの柱となる開発と運用の組織改善については、2016年12月に開設した「DevOpsサービスセンタ」によるコンサルティングや人材育成のサービスとして別途提供する。価格は個別見積もり。

 DevaaS 2.0は、主に自社で利用するPaaSとして2011年に開発・利用しているクラウド開発環境を、DevOpsサービスセンタの成果と合わせて外販したもの。2016年12月にトライアルユーザーの募集を始めていたが、本サービスでは金融・製造などで内製化志向の高い情報システム子会社、NTTグループなどが想定ユーザーとする。DevaaSとコンサルティング/人材育成サービスを含め、2020年に10億円の売り上げを見込む。

 今後は2017年12月に、NTTコミュニケーションズが世界展開するIaaS/PaaS「Enterprise Cloud」に対応させ、マルチクラウドでの利用やオフショア開発を可能にする。2018年第1四半期には、米アマゾンウェブサービスなどのパブリッククラウドをデプロイ(展開)先に追加する予定だ。