アビームコンサルティングは2017年7月20日、PC操作をソフトウエアで自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に関する勉強会を開催した。この勉強会でアビームコンサルティングの安部慶喜執行役員 プリンシパルは、国内ユーザー企業の導入件数が、同社とRPAツールを手掛けるRPAテクノロジーズの2社の合計で2017年6月末に210件に上ったことを明らかにした(写真)。「半年ごとに3倍以上のペースで増加し続けており、今後もこの勢いが続く」(安部氏)。

写真●アビームコンサルティングの安部慶喜執行役員 プリンシパル
写真●アビームコンサルティングの安部慶喜執行役員 プリンシパル
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 210件のうち、最も採用が多い業種はサービス業。全体の33%を占めた。製造業と金融業がそれぞれ19%で続き、情報・通信業は17%だった。「RPAというと採用が先行した金融業のイメージが強いかもしれないが、実際はサービス業のほうが早く採用が進んでいる」(安部氏)。

 特に採用に積極的なのは人材サービス業で、サービス業の採用実績の44%を占めた。例えば業務請負を手掛ける企業が従業員の作業をRPAで自働化することで、より多くの業務を引き受けられるようになり、収益向上につながるといった理由が考えられる。一方、金融業の中では保険業の採用が比較的進んでおり、金融業全体の36%を占めた。保険契約の事務処理を効率化したいニーズが高いことがうかがえる。

 RPAを適用した業務の内訳は、人事、総務、経理、システムといったバックオフィス業務が52%、営業やマーケティングといったフロントオフィス業務が48%と、ほぼ半々だった。営業やマーケティングであれば、顧客情報を自社システムから取得したり、Webブラウザーで競合製品の情報や市場の情報を取得し、集計するといった用途で採用が進んでいるという。「PC上で完結する決まった処理はほぼ全てRPAを適用できるようになる。実際にユーザーは幅広い業務で活用している」と安部氏は話す。