東京電力フュエル&パワー(東電FP)は2017年7月18日、南横浜火力発電所(神奈川県横浜市)で事業戦略説明会を開いた。6月に社長に就任した守谷誠二氏が、電力システム改革や火力発電事業などの統合について説明。発電所の運転データを活用するIoT(インターネット・オブ・シングズ)の取り組みについても紹介した。

 東電FPは旧東京電力が2016年4月に分社した後の、燃料・火力発電を担う事業会社。同社と中部電力は2015年4月に共同出資会社のJERAを設立しており、既存の火力発電事業などを順次統合していく計画だ。

東京電力フュエル&パワーの守谷誠二社長
東京電力フュエル&パワーの守谷誠二社長
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 「発電所で毎日のように収集できる膨大なデータを活用していきたい」と守谷社長は話した。同社はガスタービンやボイラーといった火力発電設備から稼働状況に関するデータを収集し、稼働率を高めたり不具合の予兆を検出したりする狙いで検証を進めている。

 同社は2016年9月に米ゼネラル・エレクトリック(GE)が提供するクラウドサービス「Predix」の導入を発表。10月からは千葉県富津市の富津火力発電所で効果を検証している。このほか、火力発電設備を対象としたIoTやAI(人工知能)の活用について、三菱日立パワーシステムズと業務提携している。

 こうしたIoTの活用で得られたノウハウを基にパッケージソフトを開発し、ソリューションやサービスとして外販していく考えも示している。具体的な事業化の時期は明らかにしなかったが、守谷社長は「個別のニーズに合わせて1年以内に外販していきたい」と話した。