「顧客のクラウド移行はまだ道半ば。顧客のIT環境やニーズをより深く理解することで、クラウドへの移行を加速する」。

 日本オラクルは2017年7月19日、同年6月5日に執行役 最高経営責任者(CEO)に就任したフランク・オーバーマイヤー氏の就任会見を開いた。冒頭の発言はオーバーマイヤー氏のもの。

日本オラクルの杉原博茂 取締役 会長(左)と、フランク・オーバーマイヤー 執行役 最高経営責任者(CEO)
日本オラクルの杉原博茂 取締役 会長(左)と、フランク・オーバーマイヤー 執行役 最高経営責任者(CEO)
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 同氏はオラクル・ドイツで営業統括の責任者に当たるテクノロジー・セールス・ビジネス・ユニットのバイス・プレジデントを務めていた。会見に同席した杉原博茂 取締役 会長は、「オラクル・ドイツでクラウドビジネスを立ち上げ成功させた人物」と評した。

 オーバーマイヤー氏は、杉原会長が2014年に掲げたクラウド分野でナンバーワンになることを目標とする経営ビジョン「VISION 2020」を、さらに推し進めるとした。

 日本市場におけるクラウド事業推進のために、「オープンであること」「拡張性があること」「IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)からPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)まで全てがそろう完全性」「顧客が必要とするときにすぐに利用できる準備ができていること」の四つが重要だと訴えた。

 同氏は数十社の重要顧客との対話を通じ、「顧客のIT環境は様々で、クラウドの移行は全体の2~3割に過ぎないことが分かった」と話す。日本オラクルが抱える課題については「顧客の状況やニーズを理解し、我々のどのサービスが生かせるのかを見極めること」と説明した。

 現時点でのクラウド分野の競合としては「グローバルでは米AWS(アマゾン ウェブ サービス)、米マイクロソフト、米セールスフォース・ドットコム」を挙げた。IaaSではAWSが強いが、「顧客のクラウド移行はこれから第二章を迎える。当社のクラウド分野の業績は高い成長を遂げており、十分追いつける」(同氏)と意気込んだ。