NECパーソナルコンピュータ(NECPC)とWeb開発のキュレーションズは2017年7月19日、異なる企業が提供するIoT(インターネット・オブ・シングズ)機器やインターネットサービスを相互に接続できるIoT基盤「plusbenlly」について、ベータ版の提供を開始した。顧客企業は、それらの機器やサービスを組み合わせて自社のIoTサービスを構築できる。ベータ版は無料で公開し、正式版は2017年中に提供を開始する予定だ。

 NECパーソナルコンピュータの留目真伸社長は発表会で「自在にインターネットに繋がりデータが流通することで、もっと新たなサービスや事業が生まれてこないといけない」と語った。

NECパーソナルコンピュータの留目真伸社長
NECパーソナルコンピュータの留目真伸社長
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 plusbenllyは、企業向けに提供されるクラウド上のバックエンドサービスだ。両社はまず、plusbenllyに接続する機器やサービスを提供する企業を募る。次に、複雑な機器間の接続やデータの交換をあらかじめ設定した上で、特定の組み合わせを利用したい顧客企業に提供する。2017年7月現在、plusbenllyで接続できるサービスはFitbitやFacebookなど、25社35種が用意される。

 顧客企業は、クラウドサービスの管理画面からplusbenllyがサポートするIoT機器やインターネットサービスを選択し、自社に必要な組み合わせを構築できる。iOSやAndroid向けの開発環境として「plusbenlly SDK」を用意し、スマートフォンのアプリも組み合わせたサービスを構築できる。異なるサーバー間で機器同士が連携できるよう、plusbenlly APIの提供も予定する。

 plusbenllyは既に、大和リビングマネジメントと東京電力パワーグリッド(東電PG)が2017年8月から実証実験で活用することを発表している。これは、賃貸住宅で利用する家電製品の電気使用量を予測する取り組みだ。東電PGが集めた各戸の電力データとplusbenllyに集まる温度や湿度といったデータを組み合わせて分析し、快適で効率的な家電製品の制御を実現するという。