OSKは、同社が開発・販売するERP(統合基幹業務システム)パッケージの新製品「SMILE V」の提供を2017年9月28日に開始する。「SMILE Vは当社のERP製品『SMILEシリーズ』の後継という位置付けに加え、当社のもう一つの主力製品であるワークフローソフト『eValue』も統合した全くの新製品だ」とOSKの石井ふみ子 取締役兼上席執行役員は強調する。

 SMILE VはOSKが開発・販売しているERPとワークフローを統合したことで「開発生産性や使い勝手の向上を目指した」と石井上級執行役員は説明する。これまでSMILEの利用企業は、eValueで提供する申請などの機能を利用したい場合、個別にソフトウエアを導入する作業が発生していた。また別のソフトウエア製品だったため、利用画面の統一感などもなかった。

OSKのERP「SMILE V」の画面例
OSKのERP「SMILE V」の画面例
(画像提供:OSK)
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 SMILE Vの開発に当たっては、ERPのSMILEシリーズとワークフローのeValueでこれまで個別に開発していた動作基盤を共通化。SMILE Vのモジュールを追加するような形で、eValueの機能を利用できるようになった。これにより、「これまで両製品を導入する際に発生していた重複作業を排除し、導入時の手間が抑えられる」と石井上級執行役員は話す。

 OSKはSMILE Vの発売を機に、これまでSMILEシリーズやeValueを単独で利用してきた顧客企業に両製品の利用を促すほか、新規の顧客も開拓したい考えだ。SMILEシリーズはこれまで、売上高50億~300億円の中堅中小企業が主力顧客だった。これに対し、eValueは売上高500億円以上の企業での導入が多かった。

 「今回、SMILE Vで両製品を融合したことで、SMILEシリーズを利用していなかった中堅企業やeValueを利用してこなかった中小企業にそれぞれの製品を売り込みたい」と石井上級執行役員は話す。SMILE Vでは、SMILEシリーズよりも規模の大きい企業での利用を想定して、拡張しやすいデータ構造を採用したほか、ライセンスの考え方を「デバイス単位」から「ユーザー単位」へ変更するなどした。