C Channelは2017年7月14日、サマンサタバサジャパンリミテッドの商品を自社の動画ECサイトで発売した。モデルが商品を紹介する動画をスマートフォン向けに配信。視聴者は動画内から商品を購入できる。視聴者の購入意欲が高い動画ECを拡充する。

C Channelの森川 亮社長(右から二人目)は「世界に通じるメディアブランドを作りたい」と意気込む
C Channelの森川 亮社長(右から二人目)は「世界に通じるメディアブランドを作りたい」と意気込む
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 「動画を使ってモノを売るのは世界的な流れ。欲しいと思ってから検索して安いものを探して買うこれまでのスタイルから、まずコンテンツを楽しんでから買うという新しいスタイルを作りたい」。C Channelの森川 亮社長は動画ECへの意気込みをこう語った。

 C Channelは女性向けの動画配信サービスである「C CHANNEL」を運営する。テレビタレントや雑誌の読者モデルなど、若い女性に人気の高い「クリッパー」と呼ぶ配信者を組織。クリッパーが出演する40秒ほどの動画を通じて、ファッションや美容、グルメなどの情報を配信する。利用者数は世界で1800万人、国内1040万人で、月間再生数は世界で6億6000万回を超える。

「C CHANNEL」の画面
「C CHANNEL」の画面
(出所:C Channel)
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 同社は2016年12月に動画ECサービスを始めた。C CHANNELのスマホアプリ内から商品の詳細ページへ移動したり、同社が運営するソーシャルメディアから同ページに移ったりして、商品を購入できる。

 新たに始めたサマンサタバサ商品については、新作のバッグを特設ページで販売する。世界的なファッションモデルのミランダ・カーを起用して、キャンペーンを展開する。

 動画ECの利点は「視聴者の視覚を通じて商品の素材感や使用感を伝えられる」(C Channelの動画EC事業の責任者である矢部秀卓氏)ことだ。加えて「クリッパーが商品を紹介することで、思わず欲しくなる購買行動を誘発する」(同)。

 森川社長によれば、動画の視聴者が購入に至る割合は10%程度。文字と写真が主体の既存ECは1%未満という。同社は動画ECの視聴動向や視聴者の属性といったデータ分析を進める。データ分析の結果を基にサマンサタバサなどと独自商品の開発も検討するなど、ファッション分野でのIT活用を進める考えだ。