日野自動車はトヨタ自動車と共同で、IoT(インターネット・オブ・シングズ)を活用して物流を効率化する実証実験を進めている。2017年7月11日に明らかにした。両社は2017年度からトラックの物流を検証する専門チームを立ち上げ、大型トラックを使った実証実験を始めたという。物流会社に担当者を派遣してデータを収集し、輸送コストの削減や物流の効率化につながるサービスを開発、提供する狙いだ。

日野自動車のWebサイト
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 日野は車載センサーを使ってトラックの積載量や輸送経路を見える化し、積載量を増やしたり、無駄のない輸送経路を割り出したりすることを目指す。同社は走行データや荷物の積載状態、車両の異常の有無をリアルタイムに監視するため、販売する大型トラックの一部に2017年5月からセンサーを内蔵した専用の車載器を搭載している。車載器から収集したビッグデータを物流の効率化に活用する。

 「トラックは一般的に(最大積載量能力の)5~6割程度しか積載していない」(日野の広報)といい、ビッグデータを活用してこの割合を高める。具体的な活動内容や数値目標は両社とも「検討中」(日野、トヨタの広報)として明言を避けた。

 車載器からは車両の状態も確認できるため、故障の予知や車両保守のサービスも提供できる。日野の販売店では車両の修理などに対応できるようにするため、国内の200店舗を対象に施設を増強する。

 現在、日野のトラックは全世界で160万台稼働している。車両の販売後も日野と取引が続く顧客は3割程度といい、きめ細かいサービス提供などで「5割程度まで高めたい」(日野の広報)考えだ。