NECは2017年7月7日、環境経営の一環として、気候変動対策指針を策定したと発表した。2050年に自社の事業活動による二酸化炭素(CO2)の排出量を、実質ゼロにしていくとしている。

NEC本社で開催された環境経営の説明会の様子
NEC本社で開催された環境経営の説明会の様子
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 2050年には温室効果ガスの増加により世界で温暖化が深刻化するとみられている。既に気候変動の影響で日常生活で十分な水を確保できないといった「水ストレス」や自然災害の増加が、世界的な社会問題になりつつある。

 こうした動きを踏まえて、NECは2016年7月に気候変動対策として自社グループの環境経営行動計画を公表。2030年度には自社のITソリューションの提供を通じて、社会全体のCO2排出量を5000万トン削減するという目標を掲げて、取り組みを進めてきた。

 今回の発表はさらに長期的な目標を掲げて達成を目指すものだ。NEC本社(東京・港)で開かれた環境経営の説明会では、NECで環境経営を統括する大嶽充弘執行役員常務が登壇。「環境に対する取り組みは長期目標を掲げなければなかなか進まない。2030年よりもさらに将来の目標を自ら掲げ、気候変動対策に貢献していく」と決意を語った。

NECの大嶽充弘執行役員常務
NECの大嶽充弘執行役員常務
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 目標を達成するため、データセンターの省エネ化や、IoT(インターネット・オブ・シングズ)、人工知能(AI)などの活用を進める。サーバーやストレージの工場では、製造ラインにセンサーを組み込んで稼働状況を見える化。CO2排出量が減るように生産効率を高める。ITソリューションなどを手掛ける部門のオフィスでは、紙の印刷を極力減らすといった働き方改革を実施することで、目標達成を目指すという。