NTTドコモは2017年7月5日、KCJ GROUPが運営する子供向け職業・社会体験施設「キッザニア」で7日から展開する新たなドコモパビリオン「ロボット研究開発センター」の見学会を開催した(写真1)。ロボット研究開発センターはロボットプログラミングの体験施設で、キッザニア東京では7月7日16時から、キッザニア甲子園では7月10日16時から利用できるようになる。

写真1●NTTドコモがキッザニアにロボットプログラミングの体験施設をオープン。写真はキッザニア東京の様子
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写真1●NTTドコモがキッザニアにロボットプログラミングの体験施設をオープン。写真はキッザニア東京の様子
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写真1●NTTドコモがキッザニアにロボットプログラミングの体験施設をオープン。写真はキッザニア東京の様子

 これまで同社がキッザニアで展開していたドコモパビリオンは携帯電話の貸し出し業務を体験するものだったが、今後はロボットプログラミングを体験する場となる。同社の対話型AI(人工知能)技術「自然対話エンジン」を利用したロボットを使って携帯電話ショップの窓口や受付のやりとりを子供たちがビジュアルプログラミングツールを用いて組み立てる(写真2)。

写真2●ビジュアルプログラミングツールでロボットの動作や会話のやりとりをプログラミングする
写真2●ビジュアルプログラミングツールでロボットの動作や会話のやりとりをプログラミングする
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 NTTドコモ プロモーション部第一コミュニケーション担当課長の小野浩司氏は、2020年度から小学校過程でのプログラミング教育が必修化されることなどによってプログラミング教育に注目が集まっている状況を説明。「(子供たちが)このアクティビティを通して、研究・開発やプログラミングに興味・関心をもっていただけるきっかけになればうれしい」と抱負を語った。また同社の中期戦略2020「beyond 宣言」がAI(人工知能)を活用したライフスタイル革新を掲げていることに触れ、ロボット研究開発センターが同社の戦略に沿ったAI活用の取り組みの一環であると述べた。

写真3●ビジュアルプログラミングツールは独自開発で、ロボットはヴイストンが開発した「Sota」の特別試用版を使う
写真3●ビジュアルプログラミングツールは独自開発で、ロボットはヴイストンが開発した「Sota」の特別試用版を使う
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 ロボット研究開発センターで用いるロボットは、同社の企業カラ―に変更した特別仕様の「Sota(ソータ)」(開発はヴイストン)(写真3)。ロボットと人との対話の流れをプログラミングによって実現する。ソフトウエアは電算システムの協力で開発した。実際の体験では、携帯電話ショップでの使用を想定した「受付ロボット」と「窓口ロボット」の動きを各最大3人のチームで開発する。事前に用意された体験指示書に従ってタブレット上のビジュアルプログラミングツールを使い、ロボットの動作や発言内容を表したブロックを組み合わせていく。ブロックの数は約50種類。最後にロボットの動作をプレゼンテーションする。受付ロボットと窓口ロボット間のシナリオ連携も可能となっている(写真4)。

写真4●「受付ロボット」と「窓口ロボット」間のシナリオ連携も可能
写真4●「受付ロボット」と「窓口ロボット」間のシナリオ連携も可能
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 ロボットとの対話には、「自然対話エンジン」が提供する「意図解釈エンジン」と「シナリオ対話エンジン」を用いている。言い回しが足りない部分をロボット側で補ったり、一問一答ではない分岐を用いた会話などを実現できる。また、例えばロボットに対して「ホワイト」と返答すべきところを、子供が「白」と返答しても、ロボット側が意味を理解する“言葉のゆらぎ吸収”を活用し、自然なやりとりを実現している。

 1回あたりの体験時間は約35分。終了時にはブロックを並べたプログラミング書面とロボットとの記念撮影写真を成果物として持ち帰れる。また、この体験を終了した子供は”仕事の対価”として、キッザニア内で使える疑似通貨「キッゾ」を得られる。