NTT東日本は2017年7月3日、文化観光分野における翻訳精度を向上させたAI翻訳サービス「ひかりクラウドcototoba」の全国提供を同日に開始したと発表した。

 独自に制作・収集した文化観光分野の対訳コーパスや頻出フレーズ・単語を大量に機械学習させることで、この分野における翻訳機能の精度向上を図った。

 デジタルコンテンツ制作などのサービスを展開する企業(パートナー企業)に対して翻訳機能をAPIの形で提供する。パートナー企業は、コンテンツなどと多言語翻訳をセットで文化観光施設に提供することが可能になる。

図1●ひかりクラウドcototobaの概要
図1●ひかりクラウドcototobaの概要
(出所:NTT東日本)
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 テキスト翻訳における対応言語は、英語/中国語(繁体字)/中国語(簡体字)/韓国語/フランス語/スペイン語 の6言語である。特有の言い回し(フレーズ・単語)や固有名詞(商品名など)をエンドユーザーが登録できるカスタマイズ辞書(翻訳メモリ機能)も2017年11月に提供する予定だ。

 凸版印刷は同日、NTT東日本と協業し、インバウンド翻訳サービス「ジャパリンガル」の提供を2017年9月1日に開始すると発表した。ひかりクラウドcototobaの最初の導入事例である。

 AIによる機械翻訳と翻訳者による校正を組み合わせることで、人手による校正の負荷を大幅に下げ、低価格な翻訳サービスの提供を実現したとする。観光地や宿泊施設、店舗などの様々な情報を手軽に翻訳できる観光事業者向け翻訳サービスとして展開する。

 具体的には、利用者はパンフレットやホームページ、メニューなどの翻訳したい原稿を、Web上で24時間365日いつでも依頼することができる。依頼した原稿は「cototoba」により機械翻訳され、その訳文は、世界各地の契約した翻訳者によりクラウド上で校正される。2000文字以内の訳文であれば、翌営業日に納品できる。

図2●ジャパリンガルの概要
図2●ジャパリンガルの概要
(出所:凸版印刷)
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 同サービスの本格提供に先立ち、凸版印刷は上野観光連盟と東急文化村への先行提供を2017年7月4日に開始した。

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