日本IBMは2017年6月30日、米IBMが買収した米ブルーウルフの事業を2017年7月1日から日本で本格展開すると発表した。米セールスフォース・ドットコム製品のコンサルティングやシステム構築を手掛けるブルーウルフのノウハウを取り込み、CRM(顧客関係管理)システムや人工知能(AI)関連分野の強化を目指す。

左から日本IBMの池田和明執行役員、浅野智也理事、米ブルーウルフのグレッグ・キャプラン氏
左から日本IBMの池田和明執行役員、浅野智也理事、米ブルーウルフのグレッグ・キャプラン氏
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 コンサルタントやSEを集めた「Bluewolf専門チーム」を数十人規模で発足済み。数年後には日本IBMだけで1000人規模に拡大させたい考え。

 ブルーウルフはセールスフォースのトップパートナーで、同社製品を使ったCRMシステムの導入支援に特化して事業を展開してきた。導入実績は欧米を中心に1200社以上という。

 ブルーウルフのマネージング・ディレクターを務めるグレッグ・キャプラン氏は「セールスフォース製品を生かしたコンサルティングと実装のノウハウを磨いてきた。経営リソースの制限から英語圏を中心に事業を展開してきたが、IBM傘下に入ったことで、大きな可能性のある日本市場に進出できた」と話した。日本IBMでグローバル・ビジネス・サービス セールスフォース・プラクティス・リーダーを務める浅野智也理事は「日本におけるセールスフォース関連事業は原則、全てBluewolf専門チームに集約し、Bluewolfのブランドとノウハウを基に展開する」とした。

 IBMとセールスフォースはAI分野で提携しており、IBMのコグニティブコンピューティング技術「Watson」とセールスフォースの機械学習プラットフォーム「Einstein」を統合したソリューションの提供を推進している。

 新設したBluewolf専門チームは、日本企業向けにAIを活用した顧客分析システムなどを提供する。日本IBMの池田和明執行役員は「Watsonは文書など非定型データの分析に強く、Einsteinは定型データの分析に優れている。組み合わせたときの相乗効果は大きい。ブルーウルフのノウハウも生かしながら日本企業への展開を加速させる」と意気込む。