総務省は2017年6月30日、2017年3月末における通信サービスの契約数とシェアを公表した。今回、携帯電話大手3社の契約数に占めるMVNO(仮想移動体通信事業者)の比率が明らかになった。NTTドコモを例に挙げると、同社の契約数の11%弱をMVNO分が占め、800万件程度に達していた。

 総務省によると、2017年3月末における携帯電話の契約数は1億6273万件。事業者別のシェアはNTTドコモが41.1%、NTTドコモ系MVNOが4.9%(約797万件)、KDDIグループ(au)が28.2%、KDDIグループ系MVNOが1.6%(約260万件)、ソフトバンクグループが22.1%、ソフトバンクグループ系MVNOが2.0%(約325万件)だった。

携帯電話の契約数における事業者別シェアの推移。「(卸)」はMVNO分を意味している。
携帯電話の契約数における事業者別シェアの推移。「(卸)」はMVNO分を意味している。
(出所:総務省)
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 携帯電話の契約数におけるMVNOのシェア合計は8.5%。同数値を基にMVNOにおける携帯電話大手3社のシェアを算出すると、NTTドコモが57.6%、KDDIグループが18.8%、ソフトバンクグループが23.5%となる。格安スマホ市場ではNTTドコモの回線を活用したサービスが目立つが、ソフトバンクグループは通信モジュールを中心に法人向けで地道に実績を積み重ねている。このため、ソフトバンクグループ系MVNOのシェアがKDDIグループ系MVNOのシェアを上回ったとみられる。

 一方、PHSとBWA(広帯域移動無線アクセスシステム)を含めた移動系通信の契約数は2017年3月末で1億6792万件(大手3社によるグループ内取引を除く)。事業者別のシェアはNTTドコモが39.8%、NTTドコモ系MVNOが4.8%(約806万件)、KDDI(au)が26.8%、KDDI系MVNOが2.6%(約437万件)、ソフトバンクグループが24.0%、ソフトバンクグループ系MVNOが2.1%(約353万件)だった。

移動系通信の契約数における事業者別シェアの推移。「(卸)」はMVNO分を意味している。
移動系通信の契約数における事業者別シェアの推移。「(卸)」はMVNO分を意味している。
(出所:総務省)
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 BWA市場を見ると、ソフトバンク系のWireless City Planningよりも、KDDI系のUQコミュニケーションズのほうがMVNOへの浸透が進んでいる。このため、移動系通信では、KDDIグループ系MVNOのシェアがソフトバンクグループ系MVNOのシェアを上回ったと推測される。