デルは2017年6月30日、クラウドサービスを手掛ける3社と協業し、中堅企業(従業員数100~999人)向けに3社のクラウドサービスの販売を始めた。IT部門の担当者が少ない企業はクラウドを導入する際、事前の検討に十分な時間を割けない場合がある。中堅企業に多数の顧客を抱えるデルが3社のサービスの導入窓口となる。

 「オンプレミスの環境を理解しているデルこそ、顧客に必要なクラウドを提供できる」。記者発表会の場でデルの清水博広域営業統括本部統括本部長は今回の協業の意義をこう話した。

デルの清水博広域営業統括本部統括本部長
デルの清水博広域営業統括本部統括本部長
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 協業した3社はラクスとカゴヤ・ジャパン、エックスサーバー。デルが販売するのはラクスの「楽楽精算」「楽楽明細」「働くDB」「メールディーラー」の4サービス、カゴヤ・ジャパンの「メールエンタープライズ」「desknet's NEOプラン」「ファイル管理プラン」「クラウドバックアップ」の4サービス、エックスサーバーの「WordPress」「PukiWiki」の2サービスである。

 デルは中堅企業にクラウドサービスを販売する理由を三つ挙げる。中堅企業におけるクラウド需要が高まっていることと、中堅企業のIT部門担当者は少人数の場合が多く、新規クラウドサービスの導入検討時間が足りないこと、デルのインサイドセールス担当がITコーディネーターなどの資格を取得しており、クラウド導入を提案できるようになってきたことだ。

 提供サービスを選ぶにあたり、デルは総務省が発表した「平成28年度版 情報通信白書」のデータを参考にした。中堅企業におけるクラウドサービスの利用動向を分析したところ、上位に来たのは「ファイル保存」や「電子メール」「サーバー利用」「スケジュール共有」「社内情報共有」「データバックアップ」だった。分析結果に基づいて、中堅中小企業分野で納入実績のある3社との協業を決めたという。