スイスの製薬企業フェリング・ファーマシューティカルズの日本法人であるフェリング・ファーマ(東京・港)は2017年6月28日、iPadと人工知能(AI)音声認識エンジンを使ったMR (医薬情報担当者)向けの支援ツールを導入したことを発表した。6月中旬から一部のMRで試験運用を始めており、効果を検証しながら、約50人いるMRへの全面展開を検討する。

コンテンツ管理ツール「Interactive-Pro」で会話中の音声から「製薬」「事例」などのキーワードを自動抽出したところ
コンテンツ管理ツール「Interactive-Pro」で会話中の音声から「製薬」「事例」などのキーワードを自動抽出したところ
(出所:インタラクティブソリューションズ)
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 フェリングが採用したのはインタラクティブソリューションズ(東京・千代田)のコンテンツ管理ツール「Interactive-Pro」。MRがiPadで顧客にPowerPointやPDFなどの文書を見せながら説明する際に、マイクで音声を拾って会話内容を解析し、製品名や「泌尿器」「消化器」といったキーワードを自動的に抽出する。

 画面上でキーワードをタップするとそれに関係した別の文書を表示し、スムーズに説明を続けられる。事後に操作ログを分析し、最適な会話や資料の出し方の流れを検証する。

 音声認識にはiOSの「Siri」を利用している。ビジネスや製薬の専門用語の語彙を強化した。