日立システムズは2017年6月27日、音声から心の健康状態の変化を捉え、うつ病などのメンタル疾患の予防や未病の早期発見に役立てられる法人向けクラウドサービス「音声こころ分析サービス」を、同日から販売開始すると発表した。利用料金(税別)は、1ID当たり月額300円から。100IDから導入可能で、別途初期費用がかかる。

 スマートフォンや固定電話、携帯電話などで録音した音声データから生体の変化(不随意反応)を分析して心の健康状態を数値化。約15秒で分析結果をパソコンやスマートフォンに表示する。スマートフォンで利用する場合は、アプリをダウンロードして付与されたユーザーIDとパスワードを入力すればすぐに利用開始できる。

 心の健康状態を客観的かつ手軽に見える化することで、利用者に“心の不調”の自覚と早期対策を促す。分析結果は管理者も参照可能で、メンタル疾患者およびその予兆が見られる利用者の早期発見を支援する。また、医療機関では補助的な支援ツールや遠隔医療の分野での活用などが期待される。

 販売開始に先立ち、神奈川県が試行導入したほか、さまざまな民間企業で実証実験を行い、そのなかで挙げられた要望を踏まえて機能強化した。また、試行導入の利用者アンケートから「毎日実施することによって健康に対する意識や行動に変化が生じたことを自覚した」といった回答を得たという。

 同社では、住民サービス向上に取り組む自治体や企業、教育機関、介護施設、医療機関などに向けて積極的に提案し、2020年までに累計7億円の販売を目指す。

サービス詳細
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