米Googleは現地時間2017年6月23日、Webメールサービス「Gmail」の無償版において広告のパーソナライズのために行っていたメール内容のスキャンを年内に停止すると発表した。

 有償の法人向けグループウエア「G Suite」で提供しているGmailでは以前よりメールのスキャンは行っていないが、消費者向けの無償版Gmailもこれに統一したポリシーに変更する。

 変更後、無償版Gmailで表示される広告は、他のGoogleサービス上の広告と同様に、ユーザー設定に基づいたものになる。Gmail利用者はいつもでユーザー設定で広告のパーソナル化を無効にすることができる。なおG Suiteでは従来どおり広告は表示されない。

 Googleは、法人および消費者向けGmailのユーザーに対し、同社が引き続きプライバシーとセキュリティーを最優先に据えると強調した。

 Googleによると、大企業のG Suite導入は過去1年間で2倍以上に増加し、現在、有償顧客は300万社を超える。

 Googleのクラウド事業は2015年にDiane Greene氏を責任者に迎えて以降、米Microsoftや米Amazon.comに対抗すべく、法人向けサービスに投資してきた(英Independentの報道)。

 今回のポリシー変更の決定は、法人向けサービスの推進を図る中で、メール内容のスキャンに関する懸念を払拭するのが狙いだと、海外メディア(米New York Times英Financial Timesなど)は報じている。Greene氏の説明によれば、スキャンの範囲について混乱があり、企業ユーザーの間でプライバシーへの影響を案じる声が上がっている。これが法人向けサービスの新規顧客獲得を妨げているという。

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