米Appleがレコード会社各社と、音楽ストリーミングサービスの収益分配について協議していると、米Bloombergが現地時間2017年6月21日に報じた。

 この協議がまとまれば、Appleが現在、定額制音楽ストリーミングサービス「Apple Music」でレコード会社に支払っている楽曲使用料の料率が引き下げられ、英Spotifyなどの競合サービスと同程度になる可能性があると事情に詳しい関係者は話している。

 Bloombergによると、Appleは現在、レコード会社にサービス売上高の58%を支払っている。これに対しSpotifyは最近、有料会員の拡大に向けた取り組みを行うことなどを条件に、料率を従来の55%から52%に引き下げた。Appleもこれと同様に、有料会員拡大へのコミットメントや、他の要件を満たすことを条件に、レコード会社から譲歩を引き出せる可能性があるという。

 Bloombergによると、Apple Musicの楽曲使用料が他社に比べて高い設定になっているのは、Apple Musicの登場によって音楽ダウンロード販売「iTunes Store」の収益が減少すると、レコード会社が懸念していたためだという。

 そうした中、米国では、Apple Musicなどの有料サブスクリプションサービスが年々拡大し、2016年にはその売上高が米レコード音楽売上高全体の51%を占めるまでに成長した。一方でストリーミングサービスは、レコード会社が懸念していたほどには、ダウンロード販売に影響を及ぼさないことが分かってきたと、Bloombergは伝えている。