NTTがセキュリティ人材を3万人育成したことが日経コンピュータの取材で分かった。同社は2020年までにグループ全体で1万人を育成する計画を掲げていたが前倒しで達成。目標値の3倍以上を育成した。

NTTのWebサイト
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(出所:NTT)
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 同社はセキュリティ人材を「初級」「中級」「上級」の3段階に分け、それぞれに必要なスキルや認定方法などを「セキュリティ資格認定」と定義して、育成を進めている。それぞれの認定人数は上級を30人、中級を2400人、初級を2万8000人。2016年度末に3万人を突破していた。

 初級人材を大量育成したことで、顧客ビジネスと自社事業の両方でセキュリティを維持する底上げが達成できたという。今後は中級を上級に引き上げるという質の育成にも注力する。

 「上級」は国内外で第一人者と認められる実績を持つ人材で、情報処理推進機構(IPA)のITスキル標準(ITSS)のレベル7や6に相当する。「中級」はセキュリティ脅威から顧客を守るスキルと実務経験を持つリーダー人材で、ITSSレベル5や4に相当。「初級」は基本的なセキュリティ知識を持ち、ITSSレベル3や2相当という。

 1万人育成を掲げたのは2014年秋。鵜浦博夫社長は2014年11月7日、2015年3月期第2四半期の決算発表の場で、「NTTのコアコンピタンスの一つとして、セキュリティ人材をNTTグループ内で強化する。2020年までに1万人という目標を掲げた」と話した。当時はセキュリティ業務に従事し、ある程度の力を持っている社員数を国内約2500人としていた。