米IDCが現地時間2017年3月20日に公表した世界のウエアラブル機器市場に関するリポートによると、今年(2017年)における世界出荷台数は前年の1億430万台から20.4%増加し、1億2550万台となる見通し。 これが今後5年間、年平均18.2%の成長率で伸び、2021年には今年のほぼ2倍となる2億4010万台に達すると、同社は見ている。

 IDCのリサーチマネジャー、Ramon Llamas氏によると、ウエアラブル機器は単に市場に製品を投入して認知度を高めるという段階から、ハードウエアやソフトウエアをうまく機能させ、いかに利用者に有益な情報を提供するか、といったことが重視される段階になってきたという。

 このことは今後、利用者に第2世代、第3世代の機器が提供されることを意味しており、ウエアラブル機器は、日常のデジタルアシスタントや業務における大規模システムとの接続といった用途で多種多様な製品が登場すると、Llamas氏は予測している。

 IDCが予測する2017年におけるウエアラブル機器の種類別出荷台数は、腕時計型が7140万台(シェアは56.9%)で、これにリストバンド型の4760万台(同37.9%)が次ぎ、このあと衣服型の330万台(同2.6%)、イヤウエア型の160万台(同1.3%)と続く見通し。

 このうち市場規模が最も大きい腕時計型機器について、IDCは自社開発アプリのみに対応する「ベーシック型」とサードパーティー製アプリも利用できる「スマートウオッチ」に分けて分析している。同社によると、この分野では引き続きベーシック型の出荷台数がスマートウオッチを上回る見通し。従来の腕時計メーカーが情報機器と組み合わせたハイブリッド型機器の開発に力を入れており、その市場規模が年々拡大しているからだという。

 その一方で、スマートウオッチ市場は今後、携帯電話の通信ネットワークに接続できる機器の普及とともに成長し、2019年には出荷台数を大きく伸ばすと、IDCは予測している。

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