日本航空(JAL)は2017年6月20日、国内線の機内で提供している公衆無線LAN(Wi-Fi)によるインターネット接続サービスについて、同日から完全無料化すると発表した。国内線の幹線・地方路線で運航している78機が対象となる。「期間を限定しない公衆無線LANサービスの無料提供は日本国内線で初めて」(JAL広報)としている。完全無料化を機に、機内でも地上と同様にスマートフォン(スマホ)やパソコンからインターネットにつながることを積極的にアピールし、他社便との差異化を図る。

公衆無線LANサービスの恒久的な無料化に踏み切ったJALの航空機。機体中央上部の丸く膨らんだ部分に、衛星との通信用のアンテナがある
公衆無線LANサービスの恒久的な無料化に踏み切ったJALの航空機。機体中央上部の丸く膨らんだ部分に、衛星との通信用のアンテナがある
[画像のクリックで拡大表示]

 JALは国内線の公衆無線LANサービスを2014年から提供。現在はJAL保有のボーイング777-300型機、777-200型機、767-300型機、737-800型機の計77機の全機に導入済み。2017年6月からは、グループ会社の日本トランスオーシャン航空(JTA)が保有するボーイング737-800型機への導入も始めており、現時点では1機、2017年11月までに4機に搭載予定。

 この公衆無線LANサービスについてJALは、2017年2月から8月までの期間限定で無料提供するキャンペーンを実施中。完全無料化は、同キャンペーンの期間を取り払って、恒久的に無料にする措置だ。「無料キャンペーンは好評で『今後も無料にしてほしい』という声が多く寄せられた。無料の公衆無線LANサービスが顧客満足度の向上やJAL便の選好性向上に寄与すると考えた」(JAL広報)としている。同社は春休みやゴールデンウイークなどの繁忙期を含め、無料キャンペーン期間中に乗客のアクセス増加による通信品質への影響について検証し、「大きな影響はなく、無料提供を恒久化しても問題ないと判断した」(JAL広報)とする。

 同サービスでは、機体上部のアンテナからKuバンド帯の通信衛星を介しインターネットに接続している。1機あたりの通信速度は、サービス開始当初は最大30Mbps程度としていたが、2017年2月の無料キャンペーン開始以降は帯域を増やしてアクセス増加に対応しているという。