米ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)は2017年6月19日、都内で記者説明会を開催し、「DisplayPort 1.4」の最新情報について解説した。
説明会には、米VESA コンプライアンス プログラム マネージャーのJim Choate氏が登壇(写真1)。VESAについて「会員企業数は251社。48%がアジア、43%が北米、9%が欧州の企業で、半導体メーカー、PCやディスプレイの会社、ケーブルの会社が中心を占める」と説明した(写真2)。
DisplayPortの最新バージョン「1.4」については、2015年2月23日にリリースされ、新機能としてDisplay Stream Compression(DSC)による圧縮、Forward Error Correction(FEC)によるエラー訂正、高度なMulti-Stream Transport(MST)に対応したことを挙げた。一般的なDisplayPort機器と、USB Type-C Alternate Modeを利用した機器の両方に対応する。適合性試験は2016年の下半期から開始したという(写真3)。
リンクレートも向上した。DisplayPort 1.2ではハイビットレート2(HBR2)による帯域は1レーンあたり5.4Gbpsで、4K/60Hzの出力に対応した。これに対して1.4ではHBR3に対応し、1レーンあたり8.1Gbpsの帯域で最大8K解像度をサポートする。オーバーヘッドを考慮した4レーンの合計帯域は25.92Gbpsに達するという(写真4)。
各企業の製品開発を支援するため、VESAでは「PlugTest」イベントを定期的に開催している。VESAの会員企業がホテルなどに製品を持ち寄り、相互運用性を確保するイベントになる。2017年は3月に米カリフォルニア州でHBR3の早期試験を実施しており、次は6月に台北で開催するという。
DisplayPort製品を開発するためのテスト機材も紹介した。最新のオシロスコープでは、DisplayPortのさまざまなモードを自動的に切り替えながらテストを実施できるため、「終業時間前に開始しておけば、翌朝出社するとテストが終わっている」(製品担当者)など、開発業務を効率化できるという(写真5)。
スイスのEllisysによる最新のUSB Type-Cアナライザーでは、手のひらに収まるサイズの機器を用いて、USB PDやAlternate Modeを含むあらゆる信号を解析できるという(写真6)。