日本マクドナルドの店舗システムで起きている障害について同社は2017年6月19日、同システムがマルウエアに感染していたと発表した。複数店舗システムのコンピュータがマルウエアに感染し、外部に向けて大量のパケットを発信。通信を圧迫して、商品購入時のポイントサービスが利用できなくなったという。同社は新たに電子マネーや宅配サービスなども利用できない事象が起きていることも明らかにした。

システム障害を知らせる日本マクドナルドのWebサイト
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(出所:日本マクドナルド)
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 同社はマルウエアの種類について「調査中」として明らかにしていない。この5月に世界的に発生したランサムウエア「WannaCry(ワナクライ)」の可能性もあるとした。ただ、ネットワーク経由で自己増殖して感染を広げるワームの動作はしていないという。同社アプリ登録者のデータをはじめとする機密データの社外流出は「確認できていない」(同社)。

 マルウエアに感染したのは店舗に設置して販売管理などを担うシステムのコンピュータ。複数店舗で感染を確認した。感染したコンピュータが大量のパケットを発信して同社ネットワークを圧迫し、正常なパケットを圧迫したりポイントサービスのシステムとの通信がタイムアウトしたりして、システム障害を引き起こしたという。

 利用できないサービスは「dポイント」「楽天スーパーポイント」、電子マネー「WAON」「iD」、そして同社の宅配サービス「マックデリバリー」。同社によれば被害は収束に向かっている。

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