KDDIと住友商事は2017年6月19日、ミャンマーにおけるLTE通信サービスの本格展開を開始したと発表した。両社の合弁会社であるKSGMは2014年から、ミャンマー国営郵便・電気通信事業体(MPT)と、共同事業運営(Joint Operations:JO)で同国における通信事業を営んでいる。

KDDI 理事 グローバル事業本部 グローバルコンシューマビジネス本部の岡部浩一本部長
KDDI 理事 グローバル事業本部 グローバルコンシューマビジネス本部の岡部浩一本部長
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 2017年5月末から、新たに取得した1.8GHz帯を使った高速データ通信が可能なLTEサービス「LTE+」(Largest network Technology-advanced Entertainment +)を、首都ネピドーとヤンゴン、マンダレーの3大都市で開始した。9月までに30超の主要都市に拡大する。

 従来も2.1GHz帯を使ってごく一部の場所でLTEサービスを提供していたが、2×2 MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を用いた最大75Mbpsのサービスだった。今回開始したLTE+は、ミャンマー初となる4×4 MIMO技術を導入し、速度を最大150Mpsに引き上げた。

 またミャンマーにおけるSNSや動画配信サービスの利用ニーズの増加を踏まえて、新しいデータパッケージプラン「ハッピーデータコンボ」を開始。同プランは、通常のデータ容量にSNS・動画専用のデータ容量をセットにしている。最安プランは、有効期限1日、データ容量150MBおよびSNS・動画用データ容量200MBで、料金は399MMK(MMK:ミャンマーチャット。1円=約12MMK)。

 KDDIは6月19日に説明会を開催し、理事 グローバル事業本部 グローバルコンシューマビジネス本部の岡部浩一本部長がミャンマーでの通信事業の内容を説明した。これまでの主な取り組みとして、(1)新ブランドロゴの策定、(2)SIM流通を抽選販売から店頭販売に変更、(3)日本のショップ同様のカウンター設定などの店舗刷新、(4)サービス拡充と料金改定、(5)エリア拡大、(6)CSR活動――の6つを挙げた。

ショップ改修前(左)と改修後(右)
ショップ改修前(左)と改修後(右)
(出所:KDDI)
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 岡部本部長は、人口カバー率96.2%という3Gサービスのエリアの広さに加え、LTEでも広いエリアを作ってゆき、3GとLTEを合わせて最大のネットワークを目指したいという想いで、サービス名にLargest Networkという言葉を入れたと説明。LTE+サービスのエリア展開は「9月で終わりではなく、順次さらにエリアを拡大していく」とコメントした。ミャンマーでの携帯電話普及率は、2014年12月は36.6%で、2017年3月は101.3%。MPTの加入者数は、2014年7月の約600万から2017年6月は約2300万と約4倍になったという。

カバーエリアの拡大状況。左は参入当初の2014年9月、右は現状の2017年5月
カバーエリアの拡大状況。左は参入当初の2014年9月、右は現状の2017年5月
(出所:KDDI)
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