2017年6月19日、パナソニック コネクティッドソリューションズ社の樋口泰行社長はメディア向けに今後の事業方針についてあらためて説明した。

 コネクティッドソリューションズ社はB2B事業の中核を担う社内カンパニーで、「航空」「製造」「流通」などを重点事業領域としている。社長に就任した自身の役割として、「B2Bビジネスの変革のビジョンをしっかりつくる」ことだと述べた。「ベンダーからパートナーへ」を標語に、製品のみ提供するのではなく、顧客の課題解決を部門横断で支援するとする。

パナソニック コネクティッドソリューションズ社の樋口泰行社長
パナソニック コネクティッドソリューションズ社の樋口泰行社長
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 日本マイクロソフトで会長を務めた経験のある樋口社長は、「パナソニックは、グローバルプラットフォーマーにない強みがある」と強調。プラットフォーマーは各業界の細かい要望に応えることはできないが、パナソニックはハードウエアとソフトウエア、要素技術やサービスの「組み合わせ」により、バーティカルなアプローチで勝負するというわけだ。「この総合力がパナソニックの強み」(樋口社長)と話す。

 今後は、製品の単品売りからソリューション提供力の向上を目指す樋口社長。そのために、顧客と直接対話する営業力の強化を進める。「顧客の課題を聞き出し、それから最適なソリューションをまとめ上げるフロントの営業部隊を厚くしていく」(樋口社長)。

 社内の組織を変革する必要性にも言及した。「これまでは製品を軸に事業部があり、部分最適の積み上げで利益をあげてきた。この発想を崩し、顧客視点で事業部同士が連携していかなければならない」(樋口社長)。樋口社長によるB2B事業の風土変革がこれから本格的に始まる。