日本郵便は2017年6月19日、フリーマーケット(フリマ)やネットオークションなど「C to C(個人間取引)」と呼ばれるECサイトの商品を簡単に配送できるサービスを始めると発表した。出品者が送り状を手書きせずに郵便局で手軽に印刷できるようにするなど、発送時の手間を減らす。メルカリ、フリル、ヤフオク!など、国内の大手事業者で、順次利用できるようにする。拡大するC to C商品の発送需要を取り込む。

「e発送サービス」の概要
「e発送サービス」の概要
(出所:日本郵便、以下同)
[画像のクリックで拡大表示]

 サービス名称は「e発送サービス」。2017年6月20日から、順次始める。参加するECサービスはフリル(運営会社はFablic)、メルカリ(メルカリ)、モバオク(モバオク)、ヤフオク!(ヤフー)、ラクマ(楽天)。

 日本郵便は同社の発送システムと各社のECシステムを連携。出品者が送り状を作ったり送料を支払ったりする手間を減らす。送り状については、郵便局の送り状発行用端末である「ゆうプリタッチ」やローソンのマルチメディア端末「Loppi」で印刷できる。出品者の元には商品が購入または落札されるとQRコードが届く。このQRコードをスマートフォンで端末にかざすと送り状を印刷でき、その場で商品を発送できる。ゆうプリタッチの設置局は1000局、Loppi設置店舗は約1万2300店舗。

「e発送サービス」を導入するEC事業者
「e発送サービス」を導入するEC事業者
[画像のクリックで拡大表示]

 送料は従来、出品者が商品を発送する際に郵便局などで支払う必要があったが、新サービスではECサイト上で決済が完結する。具体的には各EC事業者が、送料を含めた独自の料金を設定でき、購入者や落札者がEC事業者に支払った商品代金から送料を差し引いた額を、事業者が出品者に支払う。

 経済産業省が2017年4月に初めて公表した市場規模推計によれば、2016年のフリマアプリの市場規模は3052億円、ネットオークションは同3458億円(C to C型のみ)だった。特にフリマについては、この3~4年で形成された市場としては規模が大きいとしている。