中国百度(バイドゥ)の日本法人は2017年6月14日、六本木の本社で記者発表会を開催し、日本語入力アプリ「Simeji」にバイドゥのAI技術を利用した音声入力機能を搭載することを発表した。

 発表会には、バイドゥ日本法人の代表取締役社長チャールズ・ジャン氏が登壇(写真1)。日本法人について、「2007年にバイドゥの初めての海外拠点として事業を始めた。インバウンド向けサービスや日本語入力、音声入力のアプリを提供している」と紹介した。

写真1●バイドゥ日本法人 代表取締役社長のチャールズ・ジャン氏(撮影:山口 健太、以下同じ)
写真1●バイドゥ日本法人 代表取締役社長のチャールズ・ジャン氏(撮影:山口 健太、以下同じ)
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 バイドゥの中国本社については、「設立は2000年で、本社は北京。ナスダックにも上場している。最近はAI開発に非常に注力している」(ジャン氏)と紹介した。2017年1月には米マイクロソフトの幹部だったLu Qi氏をグループ社長兼COOとして採用したことにも触れ、「AI業界のアイドル的な存在。40件以上の特許を保有している」(同)と語った。

 バイドゥでは企業ミッションを17年ぶりに変更し、「テクノロジーで複雑な世界をもっとシンプルに」とした。2017年を「AI元年」と位置付け、日本市場向けにもAIを活用したサービスを積極的に提供していく。最初の事例として、2017年1月にグループ会社の「popIn」がバイドゥの画像認識技術によるレコメンドエンジンをサービスに導入したことを挙げた。

中国語は97%、日本語も90%の音声認識率を実現

 バイドゥのAIを利用した音声認識技術については、バイドゥ中国本社で音声認識技術アーキテクトを務めるリー・チャオ氏が登壇。自身について「パターン認識工学の博士号を持っている。音声認識技術により、Simejiをもっとスマートにしていきたい」と語った(写真2)。

写真2●中国バイドゥ 音声認識技術アーキテクトのリー・チャオ氏
写真2●中国バイドゥ 音声認識技術アーキテクトのリー・チャオ氏
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