農機大手のクボタがサプライチェーン・マネジメント(SCM)システムを全面刷新することが2017年6月14日までに分かった。木股昌俊社長が日経コンピュータの取材で明らかにした。在庫水準の適正化やリードタイムの短縮によって経営基盤強化につなげる。

クボタが開発した半自動運転機能付き田植え機
クボタが開発した半自動運転機能付き田植え機
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 主力製品の部品調達から生産・サービスに至る業務を見直し、SCMシステムを再構築する。3~4年がかりで数十億円を投じるとみられる。国内の主要システムから順次刷新していく。

 クボタは2019年12月期の連結売上高2兆円を目標とし、2016年12月期(1兆5961億円)から25%伸ばす計画を進めている。事業拡大に向けて、2016年に社内のIT戦略や現状のシステムの課題について役員とIT部員が議論する会議体「IT経営戦略会議」を設立。SCMの見直しについて議論を重ねてきた。

 検討の結果、工程間のデータ共有や海外との情報のやり取りに時間がかかっていることが判明した。業務の見直しとシステム刷新によりSCMを強化して事業拡大につなげる。