交通広告などを手掛けるジェイアール東日本企画(jeki)は2017年6月13日、東京圏の共働き家族の実態調査の説明会を開いた。「共働きパパは通勤などで使う電車内や鉄道の駅構内で、スマホなどを使ったインターネットショッピングの利用率が高い」といった調査結果を公表した。

写真●ジェイアール東日本企画が2017年6月13日に開催した、共働き家族の実態調査の説明会
写真●ジェイアール東日本企画が2017年6月13日に開催した、共働き家族の実態調査の説明会
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 この調査は、共働き家族の父親である「共働きパパ」の実態を捉えることを狙い、2017年2月、働くママでもあるjekiのメンバー4人からなる「イマドキファミリー研究プロジェクト」が実施した。

 「25歳から49歳までの既婚者で、末っ子が9歳以下の子供がいて、単身赴任はしていない」「東京駅を中心に40km圏内の地域にいる」といった条件を満たす男性と女性、合わせて2000人にインターネットによるアンケートを実施。1710サンプルを得て結果をまとめた。

 調査に当たっては、「妻が専業主婦」「妻がパートなどの短時間勤務者」「妻がフルタイム勤務者」というパパ(男性)と、「専業主婦」「短時間勤務者」「フルタイム勤務者」のママ(女性)それぞれに同様の内容を質問。共働きパパである「妻がフルタイム勤務者のパパ」の回答が、他のグループと違いが出るかどうかを調べた。

 ネットの利用率は、電車の中と、駅構内の二つの場面で尋ねた。電車の中で、ネットで購入したり商品を閲覧したりした共働きパパの割合は35.3%、「妻が専業主婦のパパ」に比べて、7.8ポイント高い結果が出た。ちなみに「フルタイム勤務者のママ」は45.3%だった。

写真●電車の中と鉄道の駅構内におけるネットショッピングの利用状況についての調査結果
写真●電車の中と鉄道の駅構内におけるネットショッピングの利用状況についての調査結果
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 駅構内で、ネットで購入したり商品を閲覧したりした共働きパパの割合は30.1%だったのに対し、「妻が専業主婦のパパ」が19.0%にとどまった。「フルタイム勤務者のママ」の35.7%に、近づく結果となった。

 電車の中や駅構内にいるときに、ネットで購入しているものの上位はいずれも、自分の洋服やファッション雑貨、日用品、生活雑貨だった。育児と仕事の両立を図る共働きパパは、勤務先から自宅へ向かう移動時間を、有効に活用していることが浮かび上がってきた。

 「電車の中や駅の交通広告を通して、共働きのパパに向けて、ネットショッピングを訴求するのは効果がありそうだ」と、jekiイマドキファミリー研究プロジェクトの土屋映子プランナーは分析する。

共働きパパはどの食器用洗剤を買うかを決定

 この調査では、商品ジャンルごとに、「誰が購入する商品ブランドを決めるか」「だれが商品購入をするのか」も尋ねた。共働きのパパが両方で50%以上関与している商品ジャンルを探った。

 「お酒」「コーヒー」など、個人の好みが大きくかかわる商品ジャンルは想定通り多かった。特徴的だったのは、「食器用洗剤」「ハンドソープ、石けん類」「子供の玩具」「インスタント、レトルト食品」といった、ママがブランドを決めて購入しそうな商品ジャンルも、共働きパパが決めて購入しているという結果だった。

 食器用洗剤やハンドソープの広告には、ママが利用しているシーンを前面に出しているものが少なくない。「共働きのパパに向けた広告も効果がありそうだ」と、土屋プランナーは分析する。

共働きパパは出勤遅めで早めに帰宅

 このほか調査では、共働きパパの生活時間についても尋ねた。

 勤務先に向かうため自宅を出る時間が午前7時以降の割合は、共働きパパは81.9%。「妻が専業主婦のパパ」が72.8%だったので、9.1ポイント多い結果となった。「帰宅時間が午後5時から午後7時台まで」の割合も、共働きパパが46.9%で、「妻が専業主婦のパパ」が34.9%と、10ポイント以上の差がついた。

 イマドキファミリー研究プロジェクトの高野裕美プロジェクトリーダーは「共働きパパは家事や育児を手伝っていることから、勤務先に向けて自宅を出る時間が遅く、帰宅時間も早かった。特に帰宅時間が早かったのは意外な結果。ワーキングマザーの一人として、うれしい気持ちになった」と、振り返る。

■変更履歴
共働きパパが決めて購入している商品ジャンルについて、記事掲載当初、「食品用洗剤」としていましたが、正しくは「食器用洗剤」です。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。 [2017/06/14 11:00]