米Googleが生命科学や医療分野の研究を進めていることは知られているが、同社は最近、医薬分野にも力を入れており、その投資を2年連続で2倍以上に増やしている。米調査会社のCB Insightsが現地時間2017年6月9日までに報告した。

 それによると、Googleは医薬分野への投資を2つのアプローチで進めている。1つは同社親会社Alphabetの投資事業GV(旧名称「Google Ventures」)が、医薬の新興企業などに出資するという直接的投資。その出資額は2009~2014年までは年平均1550万ドル程度だったが、2015年には1億6800万ドル、2016年には4億3100万ドルとなり、2017年はこれまでの半年間で1億7100万ドルに達している。また2009~2014年における医薬新興企業への出資件数は7件だったのに対し、その後の3年間では17件に増えている。

 もう1つのアプローチは、Alphabet傘下の生命科学事業Verily Life Sciencesおよび医療関連事業Calicoが、医療分野の研究開発を行ったり、戦略的開発パートナーシップを新興企業と結んだりするアプローチ。

 最近では、Verily Life Sciencesが英製薬会社GlaxoSmithKline(GSK)と生体電子工学の研究、開発、商品化を行う合弁会社を設立したほか、Calicoがタンパク質分解の研究を行っている米C4 Therapeuticsと提携した。ただし、こちらのアプローチはまだ初期段階。今後同社は医薬関連の新興企業を買収し、知的財産や人材の獲得という方法を取る可能性があるとCB Insightsは報告している。

[CB Insightsの発表資料]