デルは2017年6月9日、都内で新製品発表会を開催し、米AMD製のCPUを採用したオールインワン型PCを2機種と、ゲーミングデスクトップ1機種を発表した。いずれも同日販売を開始した。

 発表会に登壇したデル常務執行役員ビジネス&コンシューマー事業統括本部長の渡邊義成氏は、「台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2017で、複数の製品が受賞するなど高い評価をいただいた。今回発表するAMDのRyzenを搭載したPCのように、イノベーティブな製品をタイムリーに発売していきたい」と語った(写真1)。

写真1●デル常務執行役員ビジネス&コンシューマー事業統括本部長の渡邊義成氏
写真1●デル常務執行役員ビジネス&コンシューマー事業統括本部長の渡邊義成氏
(撮影:山口 健太、以下同じ)
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 続いて米デル コンシューマーおよびスモールビジネス・プロダクトグループ担当シニア・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーのレイモンド・ワー氏が登壇。デルのPC事業について米IDCの調査を引用し、「グローバルでのPC出荷台数は960万台で、2017年第1四半期には6.2%増加した。市場平均を上回る成長だ」と語った(写真2、3)。

写真2●米デル コンシューマーおよびスモールビジネス・プロダクトグループ担当シニア・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーのレイモンド・ワー氏
写真2●米デル コンシューマーおよびスモールビジネス・プロダクトグループ担当シニア・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーのレイモンド・ワー氏
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写真3●デルのPC事業の概要
写真3●デルのPC事業の概要
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 2016年のPC市場が1年間で5.3%のマイナス成長だったのに対し、デルは4.7%成長しており、「市場平均から10ポイントリードしている。トップ10のPCベンダーの中で最も勢いがある」(ワー氏)とアピールした。

 デスクトップPCの市場規模については、「依然として大きい。デスクトップPCか、ノートPCを大型ディスプレイとともに使用するユーザーは、世界に11億人いるとの調査もある。本格的な仕事をするには大型ディスプレイが快適だ」(ワー氏)と分析した。

 また、PC買い替えの最も大きな理由は「パフォーマンス」であると分析。そしてデルがインテルではなくAMD製CPUを採用した背景として、「これまでデスクトップPCはややイノベーションが停滞していたが、AMDから最新のCPUが出るタイミングが我々の戦略と一致した。PCゲーミング市場は年間20億ドルに拡大し、2020年までにアクティブにVRを使うユーザーは2億1600万人に達する。PCにはますますパフォーマンスが求められる」(ワー氏)と語った。

 オールインワン型のPCとしては、「Inspiron 27 7000フレームレスデスクトップ」を発表した(写真4)。CPUにAMD製のRyzen 5またはRyzen 7を搭載、フルHDモデルでは7.96mmのベゼルを採用した27インチの「フレームレスディスプレイ」が特徴になる(写真5)。4K解像度のVR対応モデルも、7月に発売する。「フレームがないデザインにより、没入感のある映像体験が得られる。HDMI入力も可能なので、他のPCの外部ディスプレイとしても利用できる」(ワー氏)と語った。

写真4●Inspiron 27 7000フレームレスデスクトップ
写真4●Inspiron 27 7000フレームレスデスクトップ
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写真5●展示機は「Ryzen 5」とフルHDディスプレイを搭載
写真5●展示機は「Ryzen 5」とフルHDディスプレイを搭載
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