インドのIT大手インフォシスは2017年6月7日、人工知能(AI)を活用したRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)「Infosys Nia」の日本での提供開始を発表した。新たなサービスの投入で、日本での売り上げを今後3年で2倍に伸ばしたい考えだ。

 「これまでのイメージを一新したい」。記者会見に臨んだインフォシスの大西俊介日本代表は、こう述べた。同社は従来、アプリケーション開発やERP(統合基幹業務システム)の導入支援を事業の主軸に据えてきたが、先進技術を採用した独自サービスで日本市場の開拓を目指す。

インフォシスの大西俊介日本代表
インフォシスの大西俊介日本代表
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 日本市場攻略の武器に位置付けるのがInfosys Niaだ。2017年5月にリリースし、今回日本での提供に踏み切った。Infosys Niaは、AIによる分析や意思決定を支援するソフトウエア群。RPA機能を備え、導出した分析結果を業務の改善につなげられる。

 Infosys Niaは大きく三つの機能からなる。一つめは「IAP(Infosys Automation Platform)」だ。ボットにあたる機能を持ち、データ入力など、単純な定型業務を情報システムで自動化する。二つめの「IIP(Infosys Information Platform)」は、複数の情報システムに分散するログ情報などを収集し、ビッグデータ分析を担う。三つめは「IKP(Infosys Knowledge Platform)」で、IIPの分析結果に基づき、取るべき選択肢を提示する。

 Infosys Niaはインフォシスが2016年にリリースしたAIアルゴリズム群「Infosys Mana」と、RPA「AssistEdge」を組み合わせて作った。Infosys Manaからはビッグデータ分析や機械学習技術などを、AssistEdgeからは光学文字認識(OCR)や自然言語処理技術などを集めた。